4月19日 (金)
自転車のまち稲城杯 第48回サンケイスポーツ杯

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第44回サンケイスポーツ杯

2020年12月3日〜2020年12月8日
優勝者:4781西舘 果里(東京)

登録16年未満の選手と8名のOG枠選手によって争われたオール女子戦「江戸川ヴィーナスシリーズ・Yes!高須クリニック杯」は、日程通りの11月10日(火)に優勝戦が行われた。 まず、前日(5日目)に実施された2つの準優勝戦は、1号艇の西舘果里(11R)&深川麻奈美(12R)がともに逃げ切って1着。その結果、予選トップ通過の深川がV戦のポールポジションを獲得した。 また、準優勝戦で2着に入線したのは、田口節子・落合直子の両者。そして、竹井奈美・浜田亜理沙も同3着で6強入りを決め、結果的には優出選手中「5名」が初日選抜戦メンバーで、残る西舘のみが「初V」を目指す大一番となった! なお、最終日の開催は、やや強めのホーム「向かい風」に対して、逆目の「上げ潮」がぶつかる条件での幕開け。よって、レース開始当初は水面が多少波立っていたが、順目の「下げ潮」へと変化した10R以降は水面が回復して、V戦は好コンディションでの戦いとなった。 そして迎えた優勝戦は、センターの田口(3号艇)が痛恨の立ち遅れ…。それに対してトップS(0.16)を決めてきたのは西舘(2号艇)だったが、田口が後手を踏んだことで、4カドからダッシュを乗せた落合(0.20)が、良いスリット隊形で勝負処の1周1Mへ入った。 一方、インで仕掛け切れなかった深川は、西舘に覗かれる苦しい隊形に。それでも、渾身の先マイを狙ったが、「フルターン」で襲い掛かった落合を中途半端に牽制してキャビり気味に…。さらに、握った落合も旋回が若干膨れたため、ブイ際をロスなく差した西舘が、バック線で足を伸ばして落合を捉えた! 続く2Mは、内々を突いた深川を冷静な「抱きマイ」で交した西舘が先行。落合も深川を捌く形から、諦めずに西舘を追撃した。なお、先頭の西舘は、落合との差をなかなか広げられなかったが、ミスを犯すことなく最終ターンを回し切って歓喜のVゴール。好レースを展開した落合は2着に入線した。 また、3番手を走っていた深川は、2周1Mで前を深追い。そのため、先行する落合の引き波に乗って、4番手の田口に迫られたが、何とか3着を死守した。ちなみに、3連単(2-4-1)は「11,540円」の35番人気という、荒れる江戸川の女子V戦らしい「万舟決着」で幕を閉じた! さて、地元水面で歓喜の「初V」を達成した西舘だが、まず、前検日のモーター抽選でエース機の「51号機」をゲットすると、初日を「2着・1着」で滑り出した。そして、相棒が本格化を迎えたのは、「操作性」の部分が改善した4日目で、当初の「上位級」から「超抜」へと進化。最終的には、誰の目から見ても「節イチ」と断言できるレベルまでエース機のパワーを完璧に引き出した。 その西舘、レース終了後は「素直に嬉しい。師匠の乙津(康志)さんと、先生の水野(望美)さん、そして、家族に早く伝えたい」と、涙と笑顔が入り混じった表情で喜びを表現。「勝てるとしたら、あれ(差し)しかないと思ってました。だから、内(インの深川)よりSは行きたかった」とイメージ通りの展開に。1Mは捲りに出た落合の引き波に少し嵌ったものの、エース機の馬力は桁違いで、ボートが前に向くと一瞬もモタつくことなくグングンと加速して行った! ちなみに、西舘は非常に厳しい「4期通算勝率」の勝負駆けを前期に成功させて、引退の危機を回避したばかり。土壇場で踏ん張り抜いて、ボートレーサーとして何とか生き残っただけに、「本当に苦しかったです。でも、これで満足してはいけない。田口さんのように、機が良くない時でも優出できるくらいの選手になりたい」と今回の美酒に満足することなく、より一層の向上を誓った。 実際、西舘はデビュー期から7期連続で勝率「1点台」と低迷。さらに、焦りが事故を誘発して2度の「F2」を犯した。レースを走って成長する時期に、実戦経験を積めなかったことは痛恨だったが、絶体絶命に近い状況でもギブアップしなかった精神力には感服。同じ境遇から這い上がった同期の黒澤めぐみとともに、今後はA級を目指して、更なる奮闘を期待したい! また、レース後は、出場した東京支部の選手とともに恒例の「水神祭」が行われた。まずは、寒風吹き抜ける水面に西舘が放り込まれると、他の選手達も次々にダイブ。先輩・後輩らと喜びを分かち合った西舘の次走は、12月7日に始まる芦屋のヴィーナスシリーズ。「勝率計算」をすることなく、伸び伸び走れる立場となった今なら、完全アウェーの地で再び輝きを放っても驚けない!




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