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G3オールレディース・江戸川女王決定戦 KIRIN CUP

更新日:2021/05/28 11:24:49

節全体の展望・注目選手

  • 選手名:小 野  生 奈4530小野生奈
  • 選手名:竹 井  奈 美4556竹井奈美
  • 選手名:寺 田  千 恵3435寺田千恵
  • 選手名:長 嶋  万 記4190長嶋万記
  • 選手名:岩 崎  芳 美3611岩崎芳美
  • 選手名:富 樫  麗 加4758富樫麗加

小野竹井の福岡コンビの攻撃力は出色!

水面実績豊富な寺田長嶋岩崎もV照準!

今回で節目の「10回目」を迎える「G3オールレディース・江戸川女王決定戦 KIRIN CUP 」が6月6日(日)に開幕する。なお、当地ではデフォルトとも言える6日間の「2準優制」で争われ、まずは第一関門の準優勝戦(ベスト12)へ向けて4日間の予選を戦う。

昨年のほぼ同時期(※6/17~22)に実施された前回の当タイトル戦は、最終日の【9R】以降が強風高波浪により中止・打ち切りとなったため、残念ながら第9代の「江戸川女王」は不在…。なお、江戸川の6月と言えば、かつては年間でも水面コンディションが最も安定する時期だったが、近年は気象状況の変化に伴い、その傾向も変わりつつある。従って、今年も「波乗りの巧拙」が問われる6日間になる可能性もありそうだが、果たして…!?

さて、出場を予定しているA1級5名の中でも、小野生奈竹井奈美の「攻撃力」は群を抜く存在。まず、小野は2月の「G2芦屋レディースオールスター」を制して、自身2個目の女子特別タイトルを獲得。さらに、昨年末の「G1浜名湖クイーンズクライマックス」でも「準V」と存在感を示したとおり、女子ボート界の「頂点」を狙えるポテンシャルが備わっている。

その小野は、1年前の前回戦(昨年6月の江戸川女王決定戦)が、実に7年ぶりの当地参戦だったが、「実力の違い」をまざまざと見せ付けて、予選を堂々のトップクリア。準優ではまさかの「5着」に敗れ、ファイナル進出は逃したものの、長いブランクを微塵も感じさせぬ走りを披露した。荒水面も無難に乗りこなせるだけに、ここは「シリーズリーダー候補」の最右翼と言える。

対する竹井は、女子の主要タイトルとはまだ無縁で、「銘柄級」の面々には実績で見劣る。それでも、1周1Mを攻め抜く気概は半端なく、「捲り」の破壊力は満点。実際、オール女子戦における「優出率」は高く、もう少し安定してモーターを出せれば、今以上の飛躍が期待できる優秀な攻撃性能の持ち主だ。

江戸川を走る機会は比較的多い竹井だが、前回戦(昨年11月のヴィーナスシリーズ)で、ようやく「当地初優出」を達成。決して江戸川が苦手だった訳ではなく、足元さえまともな状態なら、以前から力強く水面を乗りこなしていた。さらに、遠征組の「主力組」では唯一、5月の「男女W優勝戦」にも参戦している竹井としては、現行の「新モーター」を経験しているアドバンテージを生かしたいところだ。

そして、寺田千恵長嶋万記岩崎芳美の3者にとって、江戸川は実績十分の水面で、いずれも優勝経験がある。中でも、産休から復帰した2004年の前期から現在に至るまで「36期連続」でA1級の地位を守り続けている寺田は抜群の「安定感」を誇り、その実力に陰りは一切ない。若手時代に「中外コース」からレースを磨き上げたことが、息の長い活躍に繋がっている感じだ。

その寺田、今年に入ってからも2月の「G1中国地区選手権」で殊勲の6強入りを果たすと、予選突破こそ叶わなかった4月の「G1マスターズチャンピオン」でも、節間を通して大いに見せ場を作っていた。その時々の水面状況や展開に応じて硬軟自在に立ち回れるため、当節も「力」と「技」が融合した質の高いレースで魅せてくれるに違いない。

長嶋は2016年11月に当タイトル戦を制して「第6代江戸川女王」に輝いたが、その当時は江戸川で「4連続優出」と無敵に近い強さを誇っていた。元々「強さ」と「脆さ」が同居するタイプだが、意図する旋回ができる「操縦性」がバシッときている時に繰り出される攻撃は実に鮮やか。リズム良く走ることができれば、ここも「V」まで十分に狙えるはずだ。

また、来期(※2021年後期)はA2級に陥落する岩崎だが、それでも前期の勝率は6点台(6.08)と実力は健在。威勢良く攻めまくっていた以前に比べると捌くレースが増えているが、今もなお舟券への貢献度は高い。近況の当地戦においては少々事故(F・転覆等)が多いものの、乗りっぷりは抜群で、もし波が出ても心配は無用だ。

さらに、西村美智子堀之内紀代子中谷朋子の3人も、シリーズを盛り上げる存在。まず、昨年4月の宮島で念願の「初V」を飾った西村は、その後も更にペースアップ。その結果、最終的な勝率は「6.21」とギリギリではあったが、来期の「初A1級昇格」を確定させた!

どちらかと言えば「捲りタイプ」の西村は、スリットで覗いていれば積極的に仕掛けて行くことが多いが、現在は「差し」の精度も上がってきている印象。当地は過去に2節しか走っていないが、トータルの勝率は「6.15」と舟券に絡めているし、3回目の今回は更なる前進が見込めそうだ。

当地における優出は、前々回(2019年11月の男女W優勝戦)の1度しかない堀之内だが、江戸川ではいつも善戦しており、水面相性は良い部類。現状は「自在派」だが、以前は完全な「捲り肌」で、その積極的な姿勢は今も失せていない。モーターの出来如何だが、「行き足系」の仕上がりが良ければ優出(ベスト6入り)も十分に狙える。

一方の中谷は女流屈指の「差し巧者」で、道中の競り合いには滅法強い。なお、ワースト機とのタッグで整備に奔走した前回戦(昨年6月の当タイトル戦)は節間未勝利に終わったものの、参戦機会が少ない割に、江戸川の水面を苦にするイメージはない。よって、中堅程度の機力を有していれば準優圏内を外すことはなさそうだ。

そして、強力な遠征勢を迎え撃つ東京支部からは計「13名」が参戦予定となっているが、地元唯一のA級レーサー・富樫麗加に期待したいところ。かつては「F3」を犯して2期連続のB2暮らしを余儀なくされたが、持ち前の「粘り強さ」で苦境から這い上がり、今期適用勝率(※2021年前期)は自己最高の「6.07」をマーク。前期は少し勝率を落としたものの、A2級の地位は悠々と確保した。

基本的に「コーナー勝負型」の富樫は「ピンラッシュ」はなくても、「2・3着」を量産するタイプ。道中戦では実に果敢な走りを見せるし、過去に当地の「フレッシュルーキー」を務めたこともあるように、地元きっての「波乗り女子」で荒水面には滅法強い。優出権利を手にした昨年の当タイトル戦は「幻の優勝戦」になってしまったが、当シリーズは「地元主砲」の面子に懸けても、再度の6強入りを果たしたい!

富樫に続きたいのは、西舘果里黒澤めぐみの113期コンビ。この両者はかつて「低勝率」に喘いで、選手生命の危機に陥ったが、ともに土壇場で「危機回避」に成功した「不屈の闘志」の持ち主。

特に、デビューから3年以上も勝率「1点台」が続いた西舘は、昨年11月の当地「ヴィーナスシリーズ」で「初V」を達成。今や4期連続での勝率が「4.50」を超えており、完全に生まれ変わっている。「捲り」は少なく「差し」が主戦法だが、道中戦でもしぶとさを発揮して、まずはベスト12入りを目指したい。

黒澤の方は以前から握って回れる「果敢さ」があったが、Fを乱発して低迷…。しかし、事故率の低下に伴い勝率も上昇。未だに不安定なスタートが課題だが、気っ風のいい攻めっぷりは常に「一発」の魅力を感じさせる。よって、モーターの仕上がり次第では当シリーズの「惑星候補」になり得る存在だ!

他の地元勢では、富樫の続いて当地の「フレッシュルーキー」を務めた渡邉真奈美に加えて、高石梨菜石井裕美生田波美音らにも期待したいところ。中でも、威勢のいい「握りマイ」が持ち味の高石と、内コースで粘りを発揮する石井は、当地だと「3割増し」の評価。また、粗削りで現状は大敗が多いものの、時折り「素材の良さ」を感じさせる生田の「大駆け」にも注意を払いたい。

最後に、A2級の犬童千秋茶谷桜も準優圏内には食い込んできそうだが、「穴候補」としては江戸川水面との相性がいい松瀬弘美武藤綾子の2者をピックアップ。ともに、センター水域で妙味のある「握り屋」で、水面が荒れても臆することはない。

この両者では、前回の当地戦(昨年11月のヴィーナスシリーズ)の3日目【3R】で「大外捲り」を炸裂させた武藤が、当地歴代1位、全国でも現在「7位」にランクする驚愕の3連単50万舟(535,520円)を叩き出した立役者。仕掛けがムラで勝ち切れぬレースも多いが、得意水面で再度大波乱を演出するか!? 穴党ファンにとっては注目の存在だ。

(※出場予定選手・データは、すべて5月7日現在。)