【優勝】渡邉優美(4590・福岡)9月8日(月)「ヴィーナスシリーズ・Yes!銀座高須クリニック杯」(6日間開催・2準優制)の優勝戦が行われた。
当節は開催4日目の得点日が台風接近による強風・高波浪で中止順延。一日ずれ込んだ優勝戦の絶好枠を勝ち獲ったのは渡邉優美。およそ5年振りの当地参戦も、予選は6戦4勝の活躍で得点率トップ通過。
V戦ポールポジション目指したセミファイナルは3号艇・西舘に捲り差しを入れられるも、ここが痛恨のF。「恵まれ」での勝利かつ自身もコンマ01とヒヤヒヤのS(本人的には痺れるS)で命拾い。ツキも味方に当地初Vへ主役の席を掴み獲った。
ベスト6に出揃ったメンバーは渡邉優以上の波乗り巧者。2号艇から浜田・長嶋・倉持・今井・中田と前評判通りの主軸達が押し上げて来た。優勝戦日は終日板なしの3周戦と比較的穏やかな水面も、突然風向きが変わるトリッキーな天候。
本番開始時には上げ潮・流速約40cm、北東の風・風速約4m、波高約5cm。スタートラインに対し追い風→向かい風と状況読みづらい中で、全体にコンマ20前後のSタイミング。その中でコンマ15のトップスタートを放って来たのは倉持。
渡邉優はインからコンマ19の3番手S。カドから覗いて締めて行く倉持だったが、3コースから伸び返す長嶋が簡単にはやらせず。その隙に渡邉優が先マイ態勢に持ち込んだ1M。一気に後続を突き放し当地初Vへバック独走状態を築いた。
外に刺激される形で握り込む長嶋に、差し構えの浜田。二番差しに引かざるを得なかった倉持と、行場なかった今井は1Mで後手。縺れる艇団をズバッと割り差して来たのは、準優も同じ6コースから見場作った中田。
長嶋と浜田の間に入り込んだ中田は次位優位かと思われたが、内から伸び返して来た浜田で埼玉支部の師弟対決に。先に回ろうとする中田に対して、内から突っ込んで来る浜田が2Mブイに接触する形となり少々流れ気味。
両者が大きく膨らんだ隙を逃さず捉えてきたのは長嶋。2周目入る所では次位優勢に進めて、その背後に浜田が付ける位置取り。遅れを取った中田も内に切り返し、粘りの3着争いに持ち込もうとするが師匠・浜田が待って冷静に差し返す2周1M。
そこを回った所で上位3選手がおおよそ決定。今節幾度となく脅威の追上げ披露した浜田が長嶋にやや接近する場面もあったが、波巧者同士の対決では捕え切る迄は及ばず。結果1-3-2(8.1倍・2番人気)の本命決着で幕は閉じた。
江戸川はおよそ5年のブランク&デビューから10節目の当地参戦と水面経験は浅くとも、地力通りのレース捌きを披露した渡邉優。博多の難水面で鍛え上げられたハンドルと体幹の強さは全国屈指の特殊水面も攻略し、通算19V目・当地での初V獲得。
今回の優勝で年末の大舞台・クイーンズクライマックスへの女子獲得賞金は4位に浮上し、その前に行われる地元福岡でのチャレンジカップ(G2・レディースCC)へ一層気を引き締める。波乗りヴィーナスとして一段と強さ増し、更に美しく水面舞う。 |