【優勝】石渡鉄兵(3716・東京)10月19日(日)「G2 江戸川634杯 モーターボート大賞」(6日間開催・3準優制)の優勝戦が行われた。
周年記念競走に続く江戸川で数少ないビッグタイトル戦においても、毎度のこと大きな期待を背負うを男が大仕事をやってのけた。大会前時点で当地83優出25V・内G1V3の航跡残す「江戸川鉄兵」こと石渡鉄兵だ。
今節は当地のエース格として君臨する69号機を引き当てて、エンジン抽選からロケットスタートを切った石渡。当然の如く託された初日「東京VS全国選抜ドリーム Day1」の絶好枠戦も含め連勝発進と上々の立ち上がり。
その後は予選縺れて1位・長田、2位・石渡と東京主軸がツートップで勝負の得点日へ突入。その得点日を1着・3着とした石渡は他上位陣が伸び悩んだこともあり土壇場で逆転首位へ浮上した。
V戦ポールポジションを懸けて臨んだセミファイナルではコンマ09・トップSからの王道逃げ。強力な旋回系軸に行き足・伸びと3拍子揃った仕上がりで、これぞ当地の「エース」×「エース」と言う存在感だった。
石渡を筆頭にファイナル迄昇りつめた他5名は、一つ目の準優で十八番の伸び一撃仕様を炸裂させた佐藤大とその展開をしっかり捉えた馬場。2つ目の準優でイン押し切った片岡とそこに2コースから肉薄した佐藤隆。
そして最後の準優で石渡の逃げに、正確な差しから順走した坪井がV戦ラストの切符を獲得。ベスト6の内、東京勢が半数以上となる4つの枠を占める戦いぶりで石渡→片岡→佐藤大→佐藤隆→坪井→馬場の並びで頂上決戦に。
優勝戦は安定板装着なしの3周戦、北東の風約5~6m・上げ潮約10cmで波高は約5cmの水面コンディションの中ゴング。展開のキーになるのは一撃伸び仕様を仕上げる佐藤大のスロー戦だったが、その通りの展開に。
ラストもコンマ13のトップスタートを放った石渡。そこに2番手Sで続いた佐藤大が全速敢行。気迫の強襲を仕掛けた佐藤大の一手が決まったかに思われたが「エース」×「エース」の真価発揮。
節イチクラスの旋回出口と波乗り技術で捲り切りは許さず。伸び負けないBSから1周2Mを佐藤大の内側でクルッと先行し、V逃げへの独走態勢に入った。1周2Mも全速で行った佐藤大は艇が暴れ気味に。
最初のコーナ―で佐藤大が握った展開へ二番差しの佐藤隆、捲り差した坪井、最内差した馬場と前を追っていた3者。2Mで佐藤大が失速した隙を逃さずに一気に次位争いへ殺到。
切り込んだ坪井と最内差しから2Mも小回りで運んだ馬場が出足の良さ活きたHS。内優位に2周1Mで先に回る馬場が先行するかと思われたがやや舳先浮き。外握る佐藤大、内から潜り込もうとする佐藤隆をいなしつつ捌いた坪井が馬場の懐まで届かせる巧旋回披露。
そのまま隊形優位に2周2Mで先手を打った坪井が次位争いに決着。接戦の末3着となった馬場に続き、2周目が終わる頃には固まった上位着のまま3周のゴール通過。結果1-5-6(60.9倍・20番人気)で石渡の「G2」タイトル初制覇で熱戦の幕は閉じた。
今回84回目の当地優出にして26度目の荒波制覇。全場イチの難水面でひとり抜ける実績を更新した地元大将はこの「G2」タイトル獲得により、江戸川の一般戦~G1タイトルまでのグレードを網羅。
気は早いが来年2月に開催予定の当地70周年にも何事もなければ斡旋されるはず。ならば次のステップとして期待するのは、前人未到だった当地G1V4、ひと足先に行かれた湯川浩司の記録へ追いつく事。24年(蒲郡)・25年(福岡)とG1タイトルを2年連続奪取中と流れは十分。またワンステージ上がった「江戸川鉄兵」の波乗りが見られると思うと今から心が躍る。 |