【優勝】杉山正樹(4084・愛知)期末のラスト6日間シリーズ「第44回スポーツニッポン杯」は、節間を通して気象条件が不安定で、予選最終日の4日目は強烈な向かい風が吹く荒水面となったが、日程通りの27日(日)に優勝戦が行われた。
なお、2日目から“4連勝”と白星を量産して、予選トップ通過を果たした杉山正樹は、5日目の前半戦(6R・一般戦)の展示航走中に転覆して、同レースが欠場となるアクシデントに見舞われたが、後半の準優勝戦(12R)はしっかり逃げ切って、V戦のポールポジションを獲得した。
そして、緩やかな「追い風」が吹く絶好の水面コンディションの下でレース開始となったが、インの杉山がダッシュを乗せた“完璧”なトップS(0.07)を決めてきた。その杉山は、スリット後も強烈に足を伸ばすと1Mを先取り。ただ、若干「オーバーターン」になったことで、「差し」に照準を絞っていた原田篤志(2号艇)が杉山の内懐に入ってきた。
しかし、杉山と原田には歴然とした“パワー差”があった…。杉山はバック線の半ばで力強く「外伸び」すると、原田を抑え込んで2Mを先回り。そこで原田以下の後続艇を大きく引き離して、杉山の“V”が確定的となった!
なお、その2Mで内々を突いた西島義則(6号艇)を冷静に外マイで交わした原田は、続く2周1Mで内に潜り込んだ西山貴浩(5号艇)を再度「全速ターン」で振り切って2着に入線した。
そして、西山に羽野直也(3号艇)・永井源(4号艇)の3者が絡む熾烈な3着争いは、3周1Mで永井に捲られた西山がまず脱落。最終的には永井と羽野で接戦となり、両者ほぼラップ状態でゴール板を通過したが、写真判定の結果、競り勝った永井が3着に入った。
さて、強力メンバーが集結したV戦を、パワー任せのターンで逃げ切った杉山は、2014年2月の「日本財団会長杯」以来、当地では5年8か月ぶりとなる久々の美酒(※今年は2節前の大村に続いて2回目のV)。
その杉山の相棒(68号機)は元々素性の良いモーターだったが、2節前に優勝した山口高志の時に完全に“本格化”。そして、「もともと機がいいみたいですけど、それに伸びが付いた感じですね」と“パンチ力”を求めた杉山の調整がズバリ嵌ったことで、猛烈な“伸び足”を引き出すことに成功した!
準優勝戦終了後のインタビューでも、西島が「杉山は伸びるし、あれは別格!」と太鼓判を押していたし、杉山自身も「(スリット後に)伸び返すので、安心してSを置きにいっている」と余裕十分だったが、最後も桁違いの“節イチパワー”で並み居る強豪を撃退して栄冠を掴み獲った!
最後に、杉山は当地での優出も2017年12月の「京葉賞」以来、約2年間遠ざかっていた通り、一時期は低調機を引き続けて「負のスパイラル」に嵌っていた。それでも、非力なモーターを引いても腐ることなく、黙々と整備と調整に励んでいた姿が思い出されるが、今回その真摯な姿勢が報われたと言えるだろう。最高の形で今期を締め括った杉山の更なる飛躍に期待したい。 |